2009年08月05日

なぜ「文化的がん治療」なの?

フランスの話の前に…。

免疫とは?
自分の体にとって害のある異物を排除することです。

すべて生き物(アメーバでも!)にそれは備わっています。

免疫はひとつの細胞がはたらいているのではなく、社会の仕組みのように、いろいろな細胞が連鎖的に働き、刺激したり刺激されたりしながら、一連のネットワークを作って完結していく、まるで神経細胞のようにつながった仕組みなのです。
そしてそういった仕組みも原始的なものから高等ものまで何種類もありますが、大きく分けると「自然免疫」と「獲得免疫」のどちらかに分類されます。

たとえばナチュラルキラー細胞はがん細胞を見つけるとかたっぱしからやっつけていきます。これが自然免疫の代表的細胞です。

ただ、中世の戦争のように一人の兵隊がもう一人の兵隊を殺すといった非能率なやり方であり、がんの組織のような軍団で来られるとこういった免疫の力だけでは敵はあっという間に倍倍と増えていくのでとても間に合わないのです。

人間の歴史の中で、戦争のやり方も進化したように、免疫のシステムも生物が高等になるに従ってどんどん進化してきました。

いまもっとも進化した免疫のシステムは皆さんもご存じのハシカのワクチンをしたときに使われる「獲得免疫」の力です。

「獲得免疫」のほうは一度成立すると一生あなたの体を守ってくれるシステムです。

がんを攻撃するためには最終的にはこういう免疫の力をつくっておかなければなければ再発を防ぐことは出来ないと思います。

その方法のひとつがが今私達がクリニック・サンルイで用いている「樹状細胞療法」なのです。もちろんこの力も万能ではありません。

本来こういった免疫が成立した場合、がん細胞は消えるはずなのですが、がん細胞というのは敵としては強敵の部類で、ありとあらゆる生き延びるための手段をもっているのです。だからある意味ではひとつの手段だけでがんを消滅させてしまうことは不可能です。

とにかく一定以上大きくならなければいいわけで、共存しながら、ゆっくりと、気長に治療を続けることが大切になります。

どうすれば共存できるのか?

最も大切なことは明るく軽やかで人間的かつ文化的ながん治療をめざすことだと思います。私が、関係があるようなないようなフランスでの経験やアメリカでの経験を書き始めたのも、がん治療に対する私の深い思い入れがあってのことです。
posted by ようこ先生 at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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